特定非営利活動法人 多文化共生センター・東京21(東京都荒川区)

団体紹介
国籍、言語、文化などの違いを尊重しあう「多文化共生社会」を目指し、外国人・日本人双方へ向けた活動を展開。特に、外国籍の子どもと家族が、地域社会と共生できるよう、子育てや教育支援を中心に活動しています。

ホームページ
http://www.tabunka.jp/tokyo/

プロジェクト名

外国人の子育て支援ネットワークづくり

目的
子育て中の外国人女性は、言語の壁の他にも、地域からの孤立や異文化ストレスなど様々な問題を抱えているが、言語の問題以外は目を向けられていない。子育て中の外国人親と地域との共生を目指し、保健師、保育士、児童館職員、日本語ボランティア、外国人支援NPO、行政など外国人親子に関わる人たちが研修会を通して集い、課題を共有し、且つ解決に向けて共に活動出来るネットワークをつくる。

達成目標
研修会で外国人親子に関わる様々な人たちの顔の見える関係が出来、メーリングリストでさらに輪が広がり、活発に情報が飛び交い、互いの活動、ノウハウ、課題を共有し、解決に向けて共に活動する関係が出来る。提言活動なども行い、外国人の子育て支援ならここだ、と言われるくらいの全国的なネットワークの足がかりとする。

活動計画
研修会を定期的に実施し、外国人親子の抱える課題について理解を深めると共に、外国人親子に関わる人たちが顔の見える関係づくりを行う。また、他地域の人たちも参加できるメーリングリストにより広域ネットワークづくりを行う。蓄積された情報をwebで公開することで、役立つ情報をより多くの人に提供する。

外国人の子育て支援のための研修会(2005年度・年3回実施)

第1回「国際結婚、異文化での子育てとストレス」
日時:11月13日(日)3時間半 講師:五十嵐善雄氏(山形で定住外国人女性の支援を行う精神科医)

第2回「DVや子どもへの虐待(案)」
日時:1月(詳細未定)3時間半 講師:外国人DV支援団体・児童相談所職員など(予定)

第3回「親の悩みと子の悩み〜親子の関係を考える〜(案)」
日時:3月(詳細未定)3時間半 講師:当事者など(予定)

外国人の子育て支援ネットワークメーリングリスト開設
研修会参加者を中心に、外国人親子に関わる人、学生、当事者などが参加し、情報交換のできるメーリングリストを開設する。

外国人の子育てに関する情報のweb公開
メーリングリストの参加者が持つ外国人の子育てに関する情報や、メーリングリストに流れた情報を収集し、web上で公開する。


活動報告

[現在の進展状況] 2006.2.28

単に外国人親子を支援するだけではなく、いろんな違いをもった人が共に暮らせる社会づくりを目指し「多文化子育てネット」と名付けて10月から活動をはじめ、支援者だけではなく、外国人親当事者も参加して、(1)研修会(2)メーリングリスト(3)webでの情報蓄積の3つを柱に活動している。

研修会はこれまで「国際結婚、異文化での子育てとストレス(11/16)」、「外国にルーツのある家族とDV(1/29)」の2回行い、日本語教室・外国人支援団体のスタッフやボランティア、保育士、児童相談所職員、助産師など現場で外国人親子と関わる人、研究者などの大学教員、大学生、また外国人親当事者など様々な立場の人が延べ67名参加している。2回の研修会とも、具体的な事例やカウンセリング技法、地域で出来るサポートなど具体的且つ実際に地域で活用できるような内容を取り入れている。また、講演会で終わらせるだけではなく地域別に参加者を分けたグループワークを取り入れ、立場の違う参加者達がそれぞれの抱えている事例を紹介し、課題を抽出すると共に解決方法を模索した。毎回、参加者同士話し合う時間がもっとほしいという声がたくさん上がり、研修会終了後も初めて出会う人たちが、30分以上立ち話をしていることからも、子育てという軸で様々な立場の人が出会うこの場の重要性を強く感じている。

メーリングリストは、全国から35名が参加し、研修会では話しきれなかったことなど活発なやりとりが展開されている。またwebも立ち上げ、webからML規約や情報ファイルがダウンロードできる仕組みを作った。http://www.tabunka.jp/tokyo/projects/oyako/kosodate-net/portal.htm参照。しかし、助成額が減ったことからも、子育て情報ファイルのアップロードなどは次年度へ繰り越した。

[これからの展望]

3月5日に第3回目の研修会を、「『国際結婚』と日本社会 〜親子の関係からみえるもの〜」をテーマに行う。国際結婚をした親、そして国際結婚家庭で育った子どもをスピーカーに、それぞれの立場から見えてくる課題を出すという、これまでなかった形での提起を行う予定だ。また、3回の研修会は、テープ起こしをして報告書を作成する予定。