特定非営利活動法人 海から海へ

団体紹介
障がいをもつ人から渡される豊富なものの存在を社会が認識し、人々がそれらを宝物として共有するため、障がいをもつ人を中心とした、文化芸術活動、研究活動、社会教育活動、および、心理カウンセリングなどの支援活動を行っている。

ホームページ
http://umi.or.jp/

プロジェクト名

まちかど美術館 〜芸術と障がいを触媒とした「愛のコミュニティ」の構築へ向けて〜

目的
私達は何に価値を置くか。それは何にもまして、気分の良さであると思う。人は互いに影響を及ぼし合う。気分の良い人の周りの人は気分が良い。私達は気分の良さと質の良い相互作用(すなわち愛)に満ちたコミュニティを望む。本プロジェクトは、優れた芸術作品、その作品を生む画家、および、その画家がもつ障がいと周辺の人々を、コミュニティに愛をもたらす触媒とすることを目的とする。

達成目標
人は一生を通じ発達する。コミィニティも発達する。人の表面的な能力だけに価値を置き、気分の良さを犠牲にするコミュニティでは人が社会に与える影響は小さく、個は孤立している。
知的障がいをもつ人は、コミュニケーションに表面的な手段を用いない。私たちは彼らから、察し気づくことの大切さを学ぶ。そして、人は有限な時空にのみ存在するものであり、障がいをもつ人ももたない人もみな同じ、という思いに至る。その思いは気分の良さをもたらし、自らを含むこの世の存在への無条件の愛を生む。愛はつながりである。それはコミュニティに根源的な影響を与え、コミュニティの発達を促す。
このことの実現へ向け、本プロジェクトは次のことを達成目標とする。
1.知的障がいをもつ画家の優れた芸術作品を暮らしの場に展示し、感動から気づきを導く。
2.美術館という限られた空間から地域という広がりのある場に設置することで、より能動的で豊富な交流を生成する。
3.街の人が展示作業や広報に関わることで互いに影響を及ぼし合い、ネットワークを形成する。
4.障がいをもつ画家を含む人々の営みを知る機会を提供し、生きる意味を問いかける。
5.以上により、コミュニティの成員がコミュニティの成熟について考えるきっかけとする。

活動計画
知的障がいをもつ画家田中瑞木は、調布で育ち、作業所で仕事をしながら、60点以上の芸術作品を生み出して来た。これまでに開催された多くの個展や受賞歴は、彼女の作品が観る人に感動を与えることを実証している。本プロジェクトはこの画家の作品と人生、その障がいと周辺の人々に着目し、次の活動を行う。
1.この画家の作品を調布の街の商店、歯科医院、特別養護老人ホームやグループホームなど10数箇所で同時巡回展示する。
2.1箇所につき数点を展示する。2ヶ月ごとに展示替えをする。
3.展示と同時に画家の生活や環境を示すパネルや資料、および、NPO「海から海へ」の活動を示す会報などを用意し、見る人に供する。
4.「海から海へ」を支援する街の人が催すチャリティコンサートなどのイベントと連動し、本プロジェクトを広報する。


活動報告